はじまりは、一杯の珈琲だった
朝、出勤してパソコンを立ち上げ、珈琲を淹れて席につく。
「今日も一日、頑張ろう」——気合いを入れる、自分へのおまじないのような時間でした。
忙しい日も、楽しい日も、その一杯はいつもそばにあって、わたしを助け、整えてくれました。
いつからか、こう思うようになりました。
自分を助けてくれたこの珈琲で、誰かの力にもなれないだろうか、と...。
そして、焙煎へ
はじめは、手挽きのミルで珈琲豆を挽きてハンドドリップで淹れるだけでした。
その後、焙煎そのものに惹かれていきました。
生豆から、味を損なう原因となる欠点豆などを手作業で取り除き、手鍋での焙煎を始めました。
ドキドキしながら指導をお願いしたところ
、快く引き受けてくださって。
あの一歩がなければ、まだ立ち止まったままだったかもしれません。
発酵、科学、そして料理にも通じる珈琲の奥深さを、焙煎をセミナーで学び、今に至ります。
「余白」という名前のこと
かつてのわたしは、余裕がなくて、ホッとする時間をどうにか捻出するような毎日を過ごしていました。
通勤の電車を待つ、ほんの数分。
その隙間に飲む一杯に、ずいぶん助けられたのを覚えています。
世の中には、仕事や家庭でフル稼働、人との関わりなどですこし疲れている方がいると思います。
そんな毎日に、あえて何もしない時間を。
心に、すこしのゆとりを。
——本と、珈琲。
「余白」という言葉に思い浮かべるのは、そんな静かな情景です。
珈琲のこと
深煎り寄りが好みなので、中煎り・中深煎り・深煎りの3種をそろえました。
選択肢が多いと、かえって選びにくいものだと。
だから、あえて絞ったラインナップです。
豆は、在庫や入荷の状況、季節によって少しずつ変わります。
焙煎では、それぞれの豆の個性がきちんと出るよう、豆と対話しながら作業しています。
飲み方は、あなたの自由で
どんな気分で、どんな時間に
——そういうことは、あえて申し上げません。
飲み方も、感じ方も、お客さまが思うままで良いと思っています。
たくさんの珈琲豆店の中から「余白」を選んで、手に取っていただけたら。
それだけで、もう十分にうれしいのです。
これからも、ひっそりと
ひっそり、ゆったり。
忙しい毎日の中で、珈琲を飲むひとときが、ささやかな「余白」に通じるような。
そんな一杯を、これからもお届けできたらと思っています。
